鳥見神社の切られ庚申(市指定文化財)

鮮魚道にまつわる伝説を持つ庚申塔です

(写真)前面

(前面)

種別

有形民俗文化財

所在地

富塚

概要

 富塚地区の鳥見神社の参道脇にはいくつかの庚申塔(こうしんとう)がありますが、その一番右端にあるこの庚申塔は、安山岩製で板碑型の三猿庚申塔(さんざるこうしんとう)です。背側面右側が大きくえぐられ、刀の跡だと言われています。

(写真)背面

(背面)

 この庚申塔は江戸時代に我孫子から白井を経て松戸へと続いていた「鮮魚道(なまみち)」の脇に建っていたもので、庚申塔のえぐれた部分は、鮮魚師(なまし)が夜中に火の玉に襲われ、刀で切り付けた刃跡だという伝承が残されています。鮮魚道の存在は近世の白井を語る上で大きな特徴の一つであり、市内を代表する鮮魚道に関連する文化財として重要なものです。

用語解説

庚申塔 (こうしんとう)

昔は年だけでなく日にちを十干十二支(じっかんじゅうにし)の組み合わせで表していました。60日で一周します。庚申信仰では庚申(こうしん、かのえさる)の日の夜は眠っている間に人間の体内に住む三尸(さんし)が天帝に悪事を伝えに行くと考えられ、それを避けるために庚申の夜は講を組んで集まり、三尸が天帝に悪事を伝えないように眠らずに神に祈ります。庚申塔はその信仰に基づき建てられたものです。

三猿庚申塔 (さんざるこうしんとう)。

庚申塔のなかでも「言わざる」「聞かざる」「見ざる」の3匹の猿が彫刻されたものを指します。

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