山本家の板碑(市指定文化財)

鎌倉時代の板碑です

(写真)山本家の板碑

種別

有形文化財(考古資料)

所在地

復(白井市郷土資料館)

概要

 この板碑は平塚地区の個人宅で発見されたものです。埼玉県比企郡小川町周辺で産する緑泥片岩製で、武蔵型板碑と呼ばれるものです。高さ66.5センチメートル、中央に線刻された年号から乾元2年(1303)6月に製作された、千葉県北西部でも初期に属する古い板碑です。上部に彫られた梵字(種子)は釈迦如来を表すもので、初期の板碑のなかでも類例は少なく、その書体や種子の下に線刻された蓮座の意匠も特徴的なものです。本板碑は市内最古の板碑であり、白井の歴史上重要なものです。所有者より寄託され、白井市郷土資料館で展示しています。

用語解説

板碑 (いたび)

今の卒塔婆(そとうば)にあたるもので、供養のために仏にささげられたものです。鎌倉時代から室町時代にかけて多く作られました。当地域では主に埼玉県西部産の緑泥片岩で作られる武蔵型板碑や、主に茨城県産の雲母片岩で作られる下総型板碑が確認されています。

乾元2年 (けんげん2年)

鎌倉時代の年号です。当時の白井市周辺は後に鎌倉幕府15代執権となる金沢貞顕の所領だったと考えられます。

種子 (しゅじ)

それぞれの仏を象徴する梵字(ぼんじ)です。当地域の板碑は阿弥陀如来を表すキリークを彫ることが多いです。

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