部活動の地域展開

白井市では、多様化や少子化が進む中、学校部活動のこれからの未来を見据え、子どもたちがスポーツや文化芸術活動に生き生きと取り組むことができるように、体制を見直しています。学校部活動を「そのまま地域に移す」のではなく「地域ぐるみで広げ展開していく」という発想から、白井市では「地域展開」と呼びます。

地域展開中の種目

陸上競技

陸上競技(拠点:白井中)

卓球

卓球(拠点:七次台中)

ソフトボール

ソフトボール(拠点:七次台中)

硬式テニス

硬式テニス(拠点:大山口中)

柔道

柔道(拠点:大山口中)

剣道

剣道(南山中)

地域展開に関するFAQ

Q. 市内の部活動の現状は?

白井市では、白井市小中学校部活動ガイドラインに基づいて活動しています。ガイドラインには、顧問は2名置くこと、活動は平日2時間程度、休日3時間程度とし、週に2回以上の休養日を設けること、指導上の留意事項等が定められています。

Q. その中で課題は?

生徒数の減少により学校単位でチームを組みたくても組めなかったり、やってみたい競技の部が学校にないことで活動の機会自体がなくなってしまったりと、子どもたちの活動や選択が制限されてしまうことは、非常に大きな課題だと思います。また、顧問の先生はその競技の経験者とは限りませんので、専門的な指導を行うには限界があるということも課題と言えます。

Q. 部活動地域移行の現状の取組は?

市では、地域移行ではなく「地域展開」と呼ぶこととしています。これは、今の中学校の部活動を地域クラブ化して「そのまま地域に移す」のでは なく、「地域ぐるみで広げ展開していく」という発想によるものです。
令和5年度は、月に1~2回程度、市内の陸上競技部が合同練習を行っており、そこに市教育委員会が委嘱した外部指導員を派遣しました。この取組は、地域展開の準備段階として、市内全域の陸上競技部員が一堂に会して活動する中で成果や課題を確認するために実施されました。

Q. 部活動の地域展開に関する市の考えは?

スポーツ庁・文化庁の改革推進期間を受け、千葉県では令和7年度までに複数部活の地域移行を目標としました。市においても、同様に県のスケジュールにのっとりながら、課題となる少子化による活動の問題、顧問の不足、教員の超過勤務等を改善するために地域展開を進めることとしました。

Q. 地域展開にはどんな方法があるのか?

全国の取組事例を見ると、いくつかの運営形態があります。市教育委員会が地域スポーツ団体や地元企業、大学等の団体と連携し、運営する「地域団体・人材活用型」。市教育委員会が任意団体を創設し、その任意団体が運営する「任意団体設立型」。総合型地域スポーツクラブが運営する「総合型地域スポーツクラブ運営型」。民間スポーツ事業者等が運営する「民間事業者運営型」などがあります。

Q. 市が選択予定の方法は?

市としては民間事業者運営型を考えています。

Q. 総合型地域スポーツクラブとの連携というのは難しいのか?

市内には5つの総合型地域スポーツクラブがありますが、会員や指導者の高齢化もあり、現状では中学生の指導や大会への引率は難しいという状況です。しかしながら、総合型地域スポーツクラブは、地域住民が主体的に地域のスポーツ環境を形成する「新しい公共」の実現を目指すものですので、将来的な連携は十分に考えられます。

Q. なぜ業者委託を選択予定なのか?

本来はNPOを立ち上げるなどして地域で自走できる体制が理想ですが、特に事務局の運営には卓越したノウハウとシステムが不可欠です。部活動をサポートしている民間事業者の中には、高い専門性をもった指導者の発掘や管理だけでなく、活動全般のプロデュースやコーディネートなどの事務局業務で実績を上げているところが少なからずあります。そういった民間事業者にまずは運営業務を委託しながら、市当局、地域の方々が一緒に企画・研究・活動できる体制を整えることが、子どもたちのニーズに応え、生涯にわたってスポーツや文化芸術を楽しむライフスタイルの構築に寄与する方策だと考えます。いずれは、地域の人々が中心となって、地域の子どもたちを育成していけるようになることが理想となります。

Q. 業者委託にはコストがかかるがその辺の検討については?

市内の地域クラブを運営するためには、事務局が必要になります。この事務局業務を教育委員会が担当するとなると、新たに専門の非常勤職員を雇用する必要があります。そのコストを試算したものと民間事業者からの見積もりを比較したところ、コスト面で大きな差はありませんでしたが、コストパフォーマンスの面や専門性から考えて、事務局の運営を委託することにしました。

Q. 業者委託の仕組みは?

受益者、指導者、事務局、協議会、この4者が密に連携する体制を構築することで、地域展開は持続可能なものとなります。このうち、事務局に係る業務を民間事業者に委託します。合理的で効率的な学校部活動の地域展開を実現するためには、価格のみでなく、事業者に係る業務実績、専門性、企画力、分析力、創造性等を勘案し、総合的な見地から判断して最適な事業者と契約をするため、公募型プロポーザルにより候補者を特定します。

Q. 事務局の役割や構成メンバーなどは?

事務局の構成メンバーは委託先の民間事業者です。ここで言う事務局とは、教育委員会の事務局ではなく、地域クラブを実際に運営する業務を行う団体です。この事務局が、学校側との調整、指導者の手配や管理のほかに、参加生徒の募集登録、会費の徴収、出欠管理、外部団体との連絡調整、トラブル対応など、指導以外の業務を行います。

Q. 協議会の役割や構成メンバーなどは?

協議会は、アンケートや活動報告などをもとに、各クラブの活動が適切かどうか、子どもたちや地域のニーズに応えられているか、新たなクラブが必要かどうかなど、部活動を含めた地域スポーツ・文化芸術環境の情報共有を行い、必要に応じて地域クラブに助言を行います。構成メンバーは、校長会役員、教頭会役員、市教育委員会職員のほか、地域のスポーツ関係者などを想定しています。詳しくは、委託先の事業者と相談していくことになります。

Q. 指導者はどんなメンバーになるのか?

指導者は、委託先に登録している専門の指導者や市内の地域人材、近隣の大学生のほかに、兼職の教員も想定しています。

Q. 民間事業者から高い専門性を持った指導者の紹介や派遣もあるのか?

民間事業者の中には、一流のアスリートを派遣してくれるところもあるようです。事業者もそれぞれに独自の特性を持ち合わせているようですので、専門性と指導力をもった指導者を一定数確保していると聞いています。

Q. 兼職の教員とは?

これまで部活動を指導していた教員の中で、引き続き土日の指導を希望する場合は、校長の了承と市教委の推薦を得れば指導者として事務局に登録し、指導することができるようになります。

Q. 大会の参加については?

大会の参加資格については、日本中学校体育連盟において、「全国中学区体育大会開催基準」を改正し、令和5年度から地域のスポーツ団体等の参加が認められました。今後この動きは拡大していく見通しです。

Q. 会費制に対する市の考え方は?

子どもたちも含めた地域のスポーツ・文化芸術環境を持続可能なものとするためには、市の負担だけでは限界があります。参加者に会費の負担をお願いすることは、運営上、やむを得ないところかと考えます。ただ、負担をしてもらう以上は、その対価としての指導が専門的であったり、しっかりとした成果が見られるものでなくてはならないと考えています。会費は主に指導者への報酬として充てることとし、管理については、事務局が行います。事務局の運営費については、市が負担いたします。

Q.今後のスケジュールは?

令和6年中には、学校部活動のうち市内複数部の活動を平日のみとし、代わりに地域クラブを立ち上げます。そして令和7年度秋を目途に、これをすべての学校部活動に拡大します。

Q. 令和6年度も令和7年度も秋が節目なのはなぜ?

現在、中学校の部活動は、夏の大会やコンクールが終わるとほとんどの3年生が引退するというサイクルになっています。子供たちにとって、そのタイミングが最もスムーズだと考えました。

Q. 業務委託をし続けるとなるとランニングコストがかかり続けることになるが?

いずれは、NPOなどが事務局の運営を行っていくようになることが理想ですが、そうなるまでにはかなりの時間を要すると考えています。

Q. 平日や文化部については?

令和7年度末までに、文化部も含めて休日は完全に地域展開する予定でおります。国や県の動向も踏まえる必要があるため、平日の部活動についてはまだ未定です。まずは休日の地域展開をしてみて、協議会の中でいろいろと検討していくことになると思います。

Q. 令和8年度以降もしばらくは業務委託が続くのか?

令和8年度の状況によるところはありますが、すぐに地域だけですべてを運営していくことは難しいだろうと考えます。学校の部活動が平日も含め完全に地域展開になるまでには、段階を踏みながらの丁寧な対応が必要となります。そして何よりも子どもたちにとって最善の方法を選んでいくことが大切であると考えます。

※以下、10月の保護者会より

Q. 大会への参加はどうなるのか?

原則として地域クラブでの参加になります。国や県は、すでに地域クラブによる参加を認めています。枠が減らないように、専門部に要望しています。

Q. どんな人が指導するのか?

競技経験があり、中学生の指導に理解がある方が指導します。先生方にも希望をとっており、希望があれば指導員として契約します。

Q. ユニフォームなどはどうなるのか?

今すぐ新しい物の購入を、とはなりません。今後、市での補助や地域からの援助等により、チームの管理品として準備できないか等、検討していきます。

Q. 会費はどのくらいになるのか?

令和7年秋までを検証期間としており、参加人数や費用対効果等を検証しますが、現時点では月額2,000円程度を想定しています。

Q. 指導者や場所は十分確保できるのか?

状況に応じて人員を配置できるようにしていきます。場所は、人数に応じて拠点を増やしたりしていくことも想定していきます。

Q. 練習方法はどのようになるのか?

学校側と情報共有を行いながら、ニーズに合わせて練習していきます。

指導員にトラブルがある場合、交代することはあるのか?

交代することはあります。ただ、そうならないように事前に研修を実施します。

Q. 検証期間で、学校の先生が休日に指導することはあるのか?

基本的にはありません。地域展開した休日の活動は、地域クラブで行います。

Q. 指導員確保のスケジュールは大丈夫なのか?

間に合うように準備中です。指導員が確定次第、お知らせします。

Q. 練習会場への移動は保険の対象になるのか?

なります。活動に関わることは保険の対象です。

Q. クラブ活動に経済的な理由で参加できない生徒は、大会に出られないのか?

基本的に、登録のない生徒は大会に出場することはできません。活動に対する補助は、今後検討していきます。

外部リンク

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