ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症予防接種について

キャッチアップ接種が完了していない人の経過措置(期間延長)

令和6年度の大幅なワクチン需要により、キャッチアップ接種を希望しても受けられない人がいたことを踏まえ、キャッチアップ接種期間中に1回以上接種している人は、全3回の接種を公費で完了できるよう、経過措置が設けられました。

経過措置の対象者

・キャッチアップ接種の対象者(平成9年4月2日から平成20年4月1日生まれの女子)のうち、キャッチアップ接種期間中(令和4年4月1日から令和7年3月31日まで)にHPVワクチンを1回以上接種した人

・令和6年度高校1年相当(平成20年4月2日から平成21年4月1日生まれの女子)のうち、キャッチアップ接種期間中(令和4年4月1日から令和7年3月31日まで)にHPVワクチンを1回以上接種した人

 

経過措置の期間

令和7年4月1日から令和8年3月31日まで

注意事項

・キャッチアップ接種1回目は令和7年3月31日で終了しています。

・キャッチアップ接種期間(令和4年4月1日から令和7年3月31日)までに1回も接種を受けていない人は、経過措置の対象外となります。

・キャッチアップ接種とは、積極的な勧奨の差控えにより、接種機会を逃した方に対して公平な接種機会を確保する観点から、時限的に従来の定期接種の対象年齢を超えて接種を行うことです。

 

HPVワクチンの定期接種

子宮頸がんの原因となるHPVの感染を防ぐワクチン(HPVワクチン)を公費で接種することができます。

対象者

12歳となる年度の初日(4月1日)から16歳となる日の年度の末日(3月31日)までの間にある女子

※小学校6年生~高校1年生に相当

(標準的な接種時期は中学1年生から)

 

料金

対象者の接種は無料です。

 

接種方法

対象となる人へは13歳となる年度の4月頃に予診票を発送します。
紛失された人や白井市外から転入された人は健康課(497-3495)までご連絡ください。

医療機関での個別接種となります。

 

接種間隔(標準的なワクチン接種スケジュール)

一定の間隔をあけて、同じワクチンを合計2回または3回接種します。接種するワクチンや年齢によって、接種のタイミングや回数が異なります。どのワクチンを接種するかは、接種する医療機関に相談してください。

3種類いずれも、1年以内に規定回数の接種を終えることが望ましいとされています。

HPVワクチンの標準的な接種スケジュール

※1:1回目と2回目の接種は、少なくとも5か月以上あけます。5か月未満である場合、3回目の接種が必要になります。
※2・3:2回目と3回目の接種がそれぞれ1回目の2か月後と6か月後にできない場合、2回目は1回目から1か月以上(※2)、3回目は2回目から3か月以上(※3)あけます。
※4・5:2回目と3回目の接種がそれぞれ1回目の1か月後と6か月後にできない場合、2回目は1回目から1か月以上(※4)、3回目は1回目から5か月以上、2回目から2か月半以上(※5)あけます。

 

ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症と子宮頸がんについて

ヒトパピローマウイルス(HPV)は、性体験のある女性であれば50%以上が生涯で一度は感染するとされている一般的なウイルスです。
100種類以上の遺伝子型があるHPVの中で、子宮頸がんの約50~70%は、16型・18型の感染が原因とされています。HPVに感染しても多くの場合、ウイルスは自然に排除され検出されなくなりますが、一部が数年から十数年かけて前がん病変の状態を経て子宮頸がんを発症します。

ワクチンでHPV感染を防ぐとともに、子宮頸がん検診によって早期に発見・治療することで、完治することが望めます。
がん検診の対象になったら、検診を受けるように心がけましょう。

HPVワクチンについて

現在、国内で接種できるHPVワクチンは、子宮頸がん患者から最も多く検出されるHPV16型及び18型を予防できる2価ワクチン(サーバリックス)と尖圭コンジローマや再発性呼吸器乳頭腺症の原因ともなる6型、11型も加えられた4価ワクチン(ガーダシル)、さらにHPV31型、33型、45型、52型、58型も加えられた9価ワクチン(シルガード9)があります。
サーバリックス及びガーダシルは接種することでHPV16型と18型の感染を防ぐことができ子宮頸がんの原因の50~70%を防ぎます。 シルガード9はHPV16型、18型に加えHPV31型、33型、45型、52型、58型のHPVの感染も防ぐため、子宮頸がんの原因の80~90%を防ぎます。
HPV未感染者を対象とした海外での報告は、感染及び前がん病変の予防効果に関して2価または4価ワクチンは高い有効性が示されており、9価ワクチンは他の2種類のワクチンより多くの遺伝子型の感染に対する予防効果が期待されています。

また初回性交前に接種をすることが推奨されています。

ただし、ワクチンを受けたから子宮頸がんに罹らないわけではありません。
20歳から定期的に子宮頸がん検診を受けるようにしましょう。

ワクチンの接種方法

※HPVワクチンは最大で合計3回接種しますが、1回目、2回目接種後に気になる症状などが現れた場合は、2回目以降の接種をやめることができます。
※9価HPVワクチンの接種をご希望の場合、令和4年度に市より配布した予診票を使用することができます。

2価または4価ワクチンと9価ワクチンの交互接種について

同じ種類のHPVワクチンで接種を完了することを原則としますが、すでに2価または4価HPVワクチンを用いて、定期接種もしくはキャッチアップ接種の一部を終了した方が残りの接種を行う場合には、適切な情報に基づき、医師と被接種者がよく相談した上で、9価ワクチンを選択しても差し支えありません。

ワクチンの接種方法
対象年齢 標準接種年齢 ワクチン 接種間隔

小学校6年生~高校1年生相当の女子

中学1年生

サーバリックス
(2価)

●1回目接種後1か月の間隔をあけて2回目
●1回目接種後6か月の間隔をあけて3回目接種
(1回目から1か月以上の間隔をあけて2回目を接種した後、1回目から5か月以上、かつ2回目から2か月半以上の間隔をあけて3回目を接種してもよい)

ガーダシル
(4価)

●1回目接種後2か月の間隔をあけて2回目接種
(1回目から少なくとも1か月以上あける)
●1回目接種から6か月の間隔をあけて3回目接種
(2回目から少なくとも3か月以上あける)

シルガード9
(9価)
1回目の接種を15歳になるまでに受ける場合
《2回接種》
通常6か月以上の間隔をおいて1回接種
【上記の方法がとれない場合】
1回目と2回目の接種は、通常5か月以上あけます。
5か月未満である場合、3回目の接種が必要になります。

1回目の接種を15歳になってから受ける場合
《3回接種》
1回目接種の2か月後に2回目を接種

1回目接種の6か月後に3回目を接種

【上記の方法がとれない場合】
1か月以上の間隔をおいて2回接種後、2回目の接種から3か月以上の間隔をおいて1回接種

 

積極的な勧奨の差控えにより、接種機会を逃した方に対して公平な接種機会を確保する観点から、時限的に従来の定期接種の対象年齢を超えて接種を行うこと(以下「キャッチアップ接種」という)となりました。対象となる方は、平成9年4月2日生まれから平成20年4月1日生まれまでの女性です。
(平成19年4月2日から平成20年4月1日生まれの高校2年生相当の女子は、定期接種からキャッチアップ接種に移行され、1回目は令和7年3月31日まで2回目以降は令和8年3月31日まで接種できます。

HPVワクチンの副反応について

HPVワクチンのリスク

国内の添付書類に記載されている副反応としては、注射部位の疼痛(82.5~98%)、発赤(30.2~85%)及び腫脹(25.4~81%)などの局所反応と、軽度の発熱(3~5.8%)、倦怠感などの全身反応がありますが、その多くは一過性で回復をしています。

(サーバリックス:令和5(2023)年12月改訂(第1版)ガーダシル:令和7(2025)年1月改訂(第4版)、シルガード9:令和7(2025)年1月改訂(第2版)添付文書参照)

接種後の重篤症例
ワクチンの種類 サーバリックス ガーダシル シルガード9 [比較例]インフルエンザ
重篤症例の割合 0.0078% 0.0054% 0.0012% 0.00009%
データー集積期間

販売開始

~2024年9月30日

2023年10月1日

~2024年3月31日

医療機関から副反応疑い例(有害事象)として報告されたうちの重篤症例(報告者が重篤として判断するもの)の発生頻度は上記のとおりです。(予防接種ガイドライン2025年度版より)

子宮頸がん予防ワクチン接種後に持続的な疼痛や倦怠感、疲労感、月経痛、手足の動かしにくさや不随運動などの症状が複合的に起こり、明確な治療方法もなく、現在も回復せずに、日常生活に支障をきたしている事例もあります。
当市においても重篤な症状で日常生活が困難な事例の報告があります。

接種後体調に異常がみられた時には

●まずは、接種を受けた医療機関を受診してください。
都道府県において、「ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種後に生じた症状の診療に係る協力医療機関」を選定しています。協力医療機関の受診については、接種を受けた医師又はかかりつけ医師の紹介状や診療情報提供書などが必要です。
※紹介状や診療情報提供書等がない状態で受診した場合、診察が受けられなかったり、別途料金が発生する場合があります。

●不安や疑問に思うことがあるとき、困ったとき
各都道府県において、衛生部局と教育部局の1箇所ずつ「ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種後に症状が生じた方に対する相談窓口」を設置しています

ワクチン接種については効果とリスクをよく理解して、接種を受けるかの判断をしてください。

ヒトパピローマウイルス感染症(子宮頸がん予防)ワクチン定期接種の積極的勧奨の再開について

ヒトパピローマウイルス感染症(子宮頸がん予防)ワクチン(以下HPVワクチン)の定期接種については、ワクチンとの因果関係が否定できない持続的な疼痛等がHPVワクチンの接種後にみられたことから、平成25年6月14日から副反応の発生頻度等が明らかになり適切な情報提供ができるまでの間、国の通知に基づき定期接種の積極的勧奨を差し控えてきました。

令和3年11月26日第26回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会において、これまでのHPVワクチンの接種状況や積極的勧奨の差し控えにより接種機会を逃した方への対応が審議され、引き続きHPVワクチンの安全性の評価を行っていくことやHPVワクチンについての情報提供を充実させていくことなど、今後の方向性を踏まえ、積極的勧奨の差し控えを終了し、令和4年4月より接種対象者に対する個別の接種勧奨を順次実施していくことが示されました。
接種と副反応の因果関係が否定されたわけではありませんが、接種による有効性が副反応のリスクを上回ると判断されたためです。

接種自体は強制ではありません。HPVワクチンの有効性(効果)とリスクについてよく理解し、保護者の方と接種を受けるご本人とでよく相談し、納得したうえで接種を受けるようにしましょう。

※積極的勧奨の差し控えることになったワクチンと今回再開となるワクチンは同一のもので新しいワクチンではありません。

※ワクチン接種を受けた証明書は大切に保管しておいてください。

 

この記事に関するお問い合わせ先

健康子ども部 健康課 保健予防係
〒270-1492 千葉県白井市復1123番地
電話番号:047-497-3495
ファックス:047-492-3033
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