ヒトパピローマウイルス感染症(子宮頸がん予防)ワクチン接種について

9価HPVワクチン(シルガード9)の定期接種化について

予防接種実施規則の一部を改正する省令が令和5年1月30日に公布され、令和5年4月1日から9価HPVワクチン(シルガード9)を定期接種に用いることができるようになりました。

令和4年度に市より配布した予診票を使用して9価HPVワクチンを接種することができます。

新中学1年生(平成22年4月2日~平成23年4月1日生)の皆さんには、予診票が整い次第、あらためてご通知いたします。早めに接種を希望されている方は、健康課までご連絡ください。

 

9価HPVワクチンの標準的な接種間隔について

9価HPVワクチンの標準的な接種間隔については、以下のとおりです。

【2回接種の場合】

1回目接種後、6か月以上の間隔を置いて2回目を接種。

<上記の方法がとれない場合>

初回から2回目までの接種間隔は最低5か月以上とし、5か月未満で2回目を接種した場合は、合計3回の接種とします。

 

【3回接種の場合】

4価ワクチン(ガーダシル)と同じ接種スケジュールとなります。

1回目接種の2か月後に2回目を接種


1回目接種の6か月後に3回目を接種

<上記の方法がとれない場合>
1か月以上の間隔をおいて2回接種後、2回目の接種から3か月以上の間隔をおいて1回接種

2価または4価ワクチンと9価ワクチンの交互接種について

同じ種類のHPVワクチンで接種を完了することを原則としますが、すでに2価あるいは4価HPVワクチンを用いて、定期接種もしくはキャッチアップ接種の一部を終了した方が残りの接種を行う場合には、適切な情報に基づき、医師と被接種者がよく相談した上で、9価ワクチンを選択しても差し支えありません。

ヒトパピローマウイルス感染症(子宮頸がん予防)ワクチン定期接種の積極的勧奨の再開について

ヒトパピローマウイルス感染症(子宮頸がん予防)ワクチン(以下HPVワクチン)の定期接種については、ワクチンとの因果関係が否定できない持続的な疼痛等がHPVワクチンの接種後にみられたことから、平成25年6月14日から副反応の発生頻度等が明らかになり適切な情報提供ができるまでの間、国の通知に基づき定期接種の積極的勧奨を差し控えてきました。

令和3年11月26日第26回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会において、これまでのHPVワクチンの接種状況や積極的勧奨の差し控えにより接種機会を逃した方への対応が審議され、引き続きHPVワクチンの安全性の評価を行っていくことやHPVワクチンについての情報提供を充実させていくことなど、今後の方向性を踏まえ、積極的勧奨の差し控えを終了し、令和4年4月より接種対象者に対する個別の接種勧奨を順次実施していくことが示されました。
接種と副反応の因果関係が否定されたわけではありませんが、接種による有効性が副反応のリスクを上回ると判断されたためです。

接種自体は強制ではありません。HPVワクチンの有効性(効果)とリスクについてよく理解し、保護者の方と接種を受けるご本人とでよく相談し、納得したうえで接種を受けるようにしましょう。

※積極的勧奨の差し控えることになったワクチンと今回再開となるワクチンは同一のもので新しいワクチンではありません。

※積極的勧奨の見合わせ期間に接種機会を逃してしまった人は、定期接種の年齢を超えて接種を受けることができるキャッチアップ接種を実施します。ワクチン接種を受けた証明書は大切に保管しておいてください。

ヒトパピローマウイルス感染症(子宮頸がん予防)ワクチンについて

ヒトパピローマウイルス感染症について

ヒトパピローマウイルス(HPV)は、性体験のある女性であれば50%以上が生涯で一度は感染するとされている一般的なウイルスです。100種類以上の遺伝子型があるHPVの中で、子宮頸がんの約50~70%は、16型、18型の感染が原因とされています。

HPVに感染しても、多くの場合ウイルスは自然に排除され、検出されなくなりますが、一部が数年から十数年かけて前がん病変の状態を経て子宮頸がんを発症します。

ワクチンでHPV感染を防ぐとともに、子宮頸がん検診によって早期に発見治療することで、完治することが望めます。
がん検診の対象になったら、検診を受けるように心がけましょう。
 

子宮頸がん予防ワクチンについて

現在、定期接種として接種できるワクチンは、子宮頸がん患者から最も多く検出されるHPV16型及び18型を予防できる2価ワクチン(サーバリックス)と尖圭コンジローマや再発性呼吸器乳頭腺症の原因ともなる6型、11型も加えられた4価ワクチン(ガーダシル)があります。
HPVワクチンを接種することでHPV16型と18型の感染を防ぐことができます。そのことにより、子宮頸がんの原因の60~70%を防ぎます。
HPV未感染者を対象とした海外での報告は、感染及び前がん病変の予防効果に関して両ワクチンとも高い有効率が示されています。初回性交前に接種をすることが推奨されています。

 

ただし、ワクチンを受けたから子宮頸がんに罹らないわけではありません。
定期的に子宮頸がん検診を受けるようにしましょう。

ワクチンの接種方法

※どちらのワクチンも筋肉注射となります。
※HPVワクチンは最大で合計3回接種しますが、1回目、2回目接種後に気になる症状などが現れた場合は、2回目以降の接種をやめることができます。
※予診票は、新中学一年生(平成22年4月2日から平成23年4月1日生まで)以外の方は発送済みです。紛失された方と転入者はご連絡ください。
※9価HPVワクチンの接種をご希望の場合、令和4年度に市より配布した予診票を使用することができます。

ワクチンの接種方法一覧
対象年齢 標準接種年齢 ワクチン 接種間隔

小学校6年生~
高校1年生相当の女子

中学1年生

サーバリックス
(2価)

●1回目接種後1か月の間隔をあけて2回目
●1回目接種後6か月の間隔をあけて3回目接種
(1回目から1か月以上の間隔をあけて2回目を接種した後、1回目から5か月以上、かつ2回目から2か月半以上の間隔をあけて3回目を接種してもよい)

ガーダシル
(4価)

●1回目接種後2か月の間隔をあけて2回目接種
(1回目から少なくとも1か月以上あける)
●1回目接種から6か月の間隔をあけて3回目接種
(2回目から少なくとも3か月以上あける)

シルガード9
(9価)
1回目の接種を15歳になるまでに受ける場合
《2回接種》
通常6か月以上の間隔をおいて1回接種
【上記の方法がとれない場合】
1回目と2回目の接種は、通常5か月以上あけます。
5か月未満である場合、3回目の接種が必要になります。

1回目の接種を15歳になってから受ける場合
《3回接種》
1回目接種の2か月後に2回目を接種

1回目接種の6か月後に3回目を接種

【上記の方法がとれない場合】
1か月以上の間隔をおいて2回接種後、2回目の接種から3か月以上の間隔をおいて1回接種

 

キャッチアップ接種対象者

積極的な勧奨の差控えにより、接種機会を逃した方に対して公平な接種機会を確保する観点から、時限的に従来の定期接種の対象年齢を超えて接種を行うこと(以下「キャッチアップ接種」)となりました。対象となる方は、平成9年4月2日生まれから平成19年4月1日生まれまでの女子です。
(平成18年4月2日から平成19年4月1日生まれの高校2年生相当の女子は、定期接種からキャッチアップ接種に移行され、令和7年3月31日まで接種できます。)

HPVワクチンの接種方法【キャッチアップ接種】
対象年齢 接種期間 ワクチン 接種間隔
平成9年4月2日~平成19年4月1日生まれの女性 令和7年3月31日まで 2価
(サーバリックス)
1回目接種の1か月後に2回目を接種

1回目接種から6か月後に3回目を接種

【上記の方法がとれない場合】
1か月以上の間隔をおいて2回接種した後、1回目から5か月以上、かつ2回目から2か月半以上の間隔をおいて1回接種
4価
(ガーダシル)
1回目接種の2か月後に2回目を接種

1回目接種の6か月後に3回目を接種

【上記の方法がとれない場合】
1か月以上の間隔をおいて2回接種後、2回目の接種から3か月以上の間隔をおいて1回接種
9価
(シルガード9)

《3回接種》
1回目接種の2か月後に2回目を接種

1回目接種の6か月後に3回目を接種

【上記の方法がとれない場合】
1か月以上の間隔をおいて2回接種後、2回目の接種から3か月以上の間隔をおいて1回接種

 

子宮頸がん予防ワクチンの副反応について

子宮頸がん予防ワクチン接種後の副反応として、接種部位の痛み、発赤、腫れなどの局所症状や発熱、倦怠感などの全身症状の報告があります。ほとんどの場合が、短期間で症状が消失します。
まれにですが、重い症状(アナフィラキシーなどの思いアレルギー症状、手足に力が入りにくいギランバレー症候群などの神経系の症状)が起こることがあります。

因果関係にかかわらず、HPVワクチン接種後に生じた症状として報告があったのは、接種1万人あたり9人です。うち、重篤(入院相当以上の症状などが含まれます)と判断されたケースは接種1万人あたり、5人です。

子宮頸がん予防ワクチン接種後に持続的な疼痛や倦怠感、疲労感、月経痛、手足の動かしにくさや不随運動などの症状が複合的に起こり、明確な治療方法もなく、現在も回復せずに、日常生活に支障をきたしている事例もあります。
当市においても重篤な症状で日常生活が困難な事例の報告があります。

接種後体調に異常がみられた時には

●まずは、接種を受けた医療機関を受診してください。
都道府県において、「ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種後に生じた症状の診療に係る協力医療機関」を選定しています。協力医療機関の受診については、接種を受けた医師又はかかりつけ医師の紹介状や診療情報提供書などが必要です。
※紹介状や診療情報提供書等がない状態で受診した場合、診察が受けられなかったり、別途料金が発生する場合があります。

●不安や疑問に思うことがあるとき、困ったとき
各都道府県において、衛生部局と教育部局の1箇所ずつ「ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種後に症状が生じた方に対する相談窓口」を設置しています

ワクチン接種については効果とリスクをよく理解して、接種を受けるかの判断をしてください。

この記事に関するお問い合わせ先

健康子ども部 健康課 保健予防係
〒270-1492 千葉県白井市復1123番地
電話番号:047-497-3495
ファックス:047-492-3033
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