5種混合ワクチンについて

5種混合ワクチンが定期予防接種のワクチンとして位置づけられました

5種混合(DPT-IPV-Hib)ワクチンってなに?

5種混合ワクチンは、今まで定期予防接種として接種をしていた4種混合ワクチンとヒブワクチンが混合されたワクチンです。

5種混合ワクチンにより、ジフテリア(D)、百日せき(P)、破傷風(T)、不活化ポリオ(IPV)、ヒブ(Hib)の5種類が1本で接種できます。
ワクチンの効果は、今まで接種されていた4種混合ワクチン、ヒブワクチンと差異はありません。

 

接種対象者

生後2か月から90か月(7歳6か月)未満のお子さん

5種混合ワクチンは、生後2か月から接種できます。

令和6年4月から定期接種のワクチンとして接種が可能ですので、令和6年2月以降の生まれたお子さんが対象となります。
令和6年2月以前に生まれたお子さんで、4種混合ワクチン、ヒブワクチンともに1回も接種していないお子さんは接種することができます。

既に、4種混合ワクチン、ヒブワクチンで接種を始めているお子さんは、そのまま接種を始めたワクチンで完了させてください。

※対象となる令和6年2月生まれ、3月生まれのお子さんには、4月上旬までに、予診票を送付します
 

5種混合の受け方

初回接種3回、追加接種1回の合計4回

初回接種:20日以上58日以内の間隔で3回接種
追加接種:初回接種3回目終了後から6か月以上あけて1回(標準的には1年から1年半後)

接種間隔が規定よりあいてしまったとしても、必要回数受けることが大切です。
(逆に接種間隔を短くして接種しないよう注意してください)

5種混合で予防できる病気

【ジフテリア】
ジフテリア菌の飛沫感染で起こります。
1981年にジフテリア・百日せき・破傷風(DPT)ワクチンが導入され、現在では患者発生数は年間0から1名程度ですが、アジア地域では時折流行的発生がみられています。
感染は主にのどですが、鼻腔内にも感染します。ジフテリアは感染しても10%程度の人に症状が出るだけで、残りの人は症状が出ない保菌者となり、その人を通じて感染することもあります。
症状は、高熱、のどの痛み、犬吠様のせき、嘔吐などで、偽膜(ぎまく)と呼ばれる膜がのどにできて窒息しすることもあります。発病2~3週間後には菌の出す毒素によって心筋障害や神経麻痺を起こすことがあるため、注意hが必要です。

【百日せき】
百日せき菌の飛沫感染で起こります。
1950年から百日せきワクチンの接種がはじまって以来、患者数は減少してきていますが、最近、長引くせきを特徴とする学童から思春期、成人の百日せきがみられ、乳幼児への感染源となり、特に新生児・乳児が重症化することがあるので注意が必要です。
典型的な百日せきは、普通のかぜのような症状で始まります。続いてせきがひどくなり、顔を真っ赤にして連続的にせき込むようになります。せきのあとは急に息を吸い込むので、笛を吹くような音が出ます。熱は通常は出ません。乳幼児はせきで呼吸ができず、くちびるが青くなったり(チアノーゼ)、けいれんが起きるあるいは突然呼吸が止まってしまうことなどがあります。肺炎や脳症などの重い合併症を起こしやすく、新生児や乳児では命を落とすこともあります。

【破傷風】
破傷風菌はヒトからヒトへ感染するのではなく、土の中にいる菌が、傷口からヒトの体内に入ることによって感染します。菌が体の中で増えると、菌の出す毒素のために、筋肉の強直性けいれんを起こします。最初は口が開かなくなるなどの症状で気付かれ、やがて全身の強直性けいれんを起こすようになり、治療が遅れると死に至ることもある病気です。
患者の半数は本人や周りの人が気付かない程度の軽い刺し傷が原因です。土中に菌がいるため、感染する機会は常にあります。また、妊娠中の母親が抵抗力(免疫)をもっていれば出産時に新生児が破傷風にかかることを防ぐことができます。

【ポリオ(急性灰白髄炎)】
ポリオ(急性灰白髄炎)は「小児まひ」と呼ばれ、わが国でも1960年代前半までは大流行を繰り返していました。予防接種の効果によりわが国では1980年を最後に野生株ポリオウイルスによる麻痺患者の発生はなくなり、2000年にはWHOは日本を含む西太平洋地域のポリオ根絶を宣言しました。
現在のポリオ流行国は、パキスタン、アフガニスタンの2か国までになり、世界中からのポリオ根絶も夢ではなくなってきましたが、ポリオに対する警戒は依然世界中で続けられています。
口から入ったポリオウイルスは咽頭や小腸の細胞で増殖します。小腸の細胞ではウイルスは4~35日間(平均7~14日間)増殖すると言われています。増殖したウイルスは便中に排泄され、再びヒトの口に入り抵抗力(免疫)をもっていないヒトの腸内で増殖し、ヒトからヒトへ感染します。ポリオウイルスに感染しても、ほとんどの場合は症状が出ず、一生抵抗力(終生免疫)が得られます。症状が出る場合、ウイルスの感染が血液を介して脳・脊髄へ広まり、麻痺を起こすことがあります。ポリオウイルスに感染すると100人中5~10人は、風邪様の症状があり、発熱を認め、続いて頭痛、嘔吐があらわれます。また、感染した人の中で、約1,000人~2,000人に1人の割合で手足の麻痺を起こします。一部の人には、その麻痺が永久に残ります。また、麻痺症状が進行し、呼吸困難により死亡することもあります。

【ヒブ感染症】
インフルエンザ菌、特にb型は、中耳炎、副鼻腔炎、気管支炎などの表在性感染症の他、髄膜炎、肺血症、肺炎などの重篤な深部(全身)感染症(侵襲性感染症とも言います)を起こす、乳幼児にとって問題となる病原菌です。ヒブによる髄膜炎は2010年以前は、5歳未満人口10万対7.1~8.3とされ、年間約400人が発症し、約11%が予後不良と推定されていました。また、生後4か月~1歳までの乳児が過半数を占めていました。(厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会の資料による)現在は、ヒブワクチンが普及し、侵襲性ヒブ感染症はほとんどみられなくなりました。

5種混合ワクチンの副反応

5種混合ワクチンには、「ゴービック」「クイントバック」の2種類があります。
主な副反応は、接種部位の発赤、しこり、腫れなどが主です。局所以外の反応として、発熱、発疹、食欲減退、嘔吐などが報告されています。重大な副反応として、ショック、アナフィラキシー、血小板減少紫斑病、けいれんなどが報告されています。

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